top of page

体重あたりの推奨されるたんぱく質摂取量

たんぱく質は、筋肉の修復や成長、免疫機能の維持に重要な栄養素です。体重あたりの推奨されるたんぱく質摂取量について、複数の研究が行われており、それぞれの目的や活動レベルに応じた適切な摂取量が示されています。


ここでは、主要な研究結果を基に、体重あたりの推奨されるたんぱく質摂取量についての最新の知見を要約します。


一般的な健康維持のためのたんぱく質摂取量


WHO/FAO/UNUのガイドライン


世界保健機関(WHO)、国連食糧農業機関(FAO)、および国連大学(UNU)は、成人の健康維持のために体重1キログラムあたり0.8グラムのたんぱく質摂取を推奨しています。これは、平均的な成人が一日に必要とする最低限のたんぱく質量を示しています 。

筋肉の成長と運動パフォーマンス向上のためのたんぱく質摂取量


Phillips & Van Loon (2011)


PhillipsとVan Loon(2011)のレビューによると、筋肉の成長や運動パフォーマンス向上を目指す場合、体重1キログラムあたり1.2〜2.2グラムのたんぱく質摂取が推奨されています。特に、強度の高いトレーニングを行うアスリートやボディビルダーにとって、この範囲の上限に近い摂取量が効果的であるとされています 。


Morton et al. (2018)


Mortonら(2018)のメタ分析では、筋肥大と筋力向上を目指す場合、体重1キログラムあたり1.6グラムのたんぱく質摂取が最適であることが示されています。この研究では、さらに高い摂取量(体重1キログラムあたり2.2グラム)までの増加が一部の人々には有益であるものの、大多数の人々にとっては1.6グラムが理想的であると結論付けられています 。


高齢者のためのたんぱく質摂取量


Bauer et al. (2013)

Bauerら(2013)の研究では、高齢者における筋肉量の維持と機能の改善のために、体重1キログラムあたり1.2〜1.5グラムのたんぱく質摂取が推奨されています。高齢者はたんぱく質の代謝が低下する傾向があるため、若年成人よりも多くのたんぱく質が必要とされます 。


減量中のたんぱく質摂取量


Helms et al. (2014)

Helmsら(2014)の研究では、減量中に筋肉量を維持するために、体重1キログラムあたり2.3〜3.1グラムのたんぱく質摂取が推奨されています。これは、カロリー制限下で筋肉の分解を最小限に抑えるために必要な量です 。



結論


体重あたりの推奨されるたんぱく質摂取量は、個々の目的や活動レベルに応じて異なります。以下に主要な推奨量をまとめます:


  • 一般的な健康維持: 体重1キログラムあたり0.8グラム(WHO/FAO/UNU)

  • 筋肉の成長と運動パフォーマンス向上: 体重1キログラムあたり1.2〜2.2グラム(Phillips & Van Loon, 2011)

  • 筋肥大と筋力向上: 体重1キログラムあたり1.6グラム(Morton et al., 2018)

  • 高齢者の筋肉量維持: 体重1キログラムあたり1.2〜1.5グラム(Bauer et al., 2013)

  • 減量中の筋肉量維持: 体重1キログラムあたり2.3〜3.1グラム(Helms et al., 2014)


参考文献


  1. WHO/FAO/UNU. (2007). Protein and Amino Acid Requirements in Human Nutrition. WHO Technical Report Series, 935.

  2. Phillips, S. M., & Van Loon, L. J. (2011). Dietary protein for athletes: from requirements to optimum adaptation. Journal of Sports Sciences, 29(sup1), S29-S38.

  3. Morton, R. W., Murphy, K. T., McKellar, S. R., Schoenfeld, B. J., Henselmans, M., Helms, E., ... & Phillips, S. M. (2018). A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength in healthy adults. British Journal of Sports Medicine, 52(6), 376-384.

  4. Bauer, J., Biolo, G., Cederholm, T., Cesari, M., Cruz-Jentoft, A. J., Morley, J. E., ... & Boirie, Y. (2013). Evidence-based recommendations for optimal dietary protein intake in older people: a position paper from the PROT-AGE Study Group. Journal of the American Medical Directors Association, 14(8), 542-559.

  5. Helms, E. R., Zinn, C., Rowlands, D. S., & Brown, S. R. (2014). A systematic review of dietary protein during caloric restriction in resistance trained lean athletes: a case for higher intakes. International Journal of Sport Nutrition and Exercise Metabolism, 24(2), 127-138.

閲覧数:2回0件のコメント

最新記事

すべて表示

筋トレとストレスの関係性に関する文献の要約

筋力トレーニング(筋トレ)は、身体的な健康だけでなく、精神的な健康にも多くの利益をもたらします。以下は、筋トレとストレスの関係性に関する主要な研究結果の要約です。 筋トレのストレス軽減効果 Bartholomew et al. (2005) Bartholomewら(2005)の研究では、筋力トレーニングが心理的ストレスに及ぼす影響を調査しました。主な結果は次の通りです: 気分の改善: 筋トレ後に

睡眠時間と筋肉の成長に関する文献の要約

筋肉の成長(筋肥大)において、トレーニングと栄養だけでなく、適切な睡眠も重要な役割を果たします。以下は、睡眠時間と筋肉の成長に関する主要な研究結果の要約です。 睡眠と筋肉の成長の関連 Dattilo et al. (2011) Dattiloら(2011)のレビューは、睡眠不足が筋肉の回復と成長に与える影響を調査しました。主な結論は次の通りです: 成長ホルモンの分泌: 成長ホルモンは、筋肉の修復と

アクティブレストの必要性について

アクティブレストの定義 アクティブレスト(Active Rest)とは、完全な休息を取るのではなく、軽度から中程度の活動を行うことで回復を促進する方法です。ウォーキング、軽いジョギング、ストレッチ、ヨガなどがアクティブレストに含まれます。 アクティブレストの効果 筋肉の回復促進 アクティブレストは、筋肉の血流を増加させ、酸素や栄養素の供給を促進します。これにより、筋肉の修復と成長が促されます。研究

Comments


bottom of page